最高裁判所第二小法廷 昭和26年(れ)2060号 判決 1952年4月18日
本籍
千葉県東葛飾郡梅郷村大字桜台四二番地
住居
東京都台東区浅草雷門二丁目一一番地 富士建築事務所内
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鈴木耕一
大正一五年三月三一日生
本籍
東京都北区豊島町四丁目四番地の二
住居
同都豊島区椎名町五丁目二一五三番地
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田中要
明治三九年七月四日生
本籍
東京都台東区松葉町六二番地
住居
同都練馬区中村町三丁目六五八番地
会社員
小林稔
大正三年九月一四日生
右の者等に対する窃盗各被告事件について、昭和二六年六月二九日東京高等裁判所の言渡した判決に対し、被告人鈴木耕一、同田中要、同小林稔原審弁護人三野昌治から各上告の申立があつたので、当裁判所は次のとおり判決する。
主文
本件各上告を棄却する。
理由
被告人鈴木耕一の弁護人神垣秀六の上告趣意(後記)は刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。
被告人田中要の弁護人岡崎源一の上告趣意(後記)は刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。(なお、論旨第一点については司法警察官新井六郎の作成した意見書─記録一丁以下参照)
被告人小林稔の弁護人三野昌治の上告趣意(後記)第一点について、
原判決が証拠により確定したところによると、被告人は鈴木耕一田中要等と協力して判示犯罪の実行方を通謀し、被告人自らは右実行々為には加担しなかつたが、賍品の売込先に残つて現物の搬入を待つたというのであり、他の共謀者の実行々為を介して自己の犯罪敢行の意思を実現したものと認めるに十分であるから、被告人において実行担当者、実行方法について関知するところがないとしても共同正犯の罪責を免れるものでないことは、当裁判所の判例に徴し極めて明かなところである(昭和二三年(れ)第二九六号、同年一〇月六日大法廷判決参照)。従つて、大審院判例に違反したとの論旨は到底採用することができない(刑訴四〇五条三項)。
同第二点は刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。
なお、記録を調べても、本件につき刑訴四一一条を適用すべきものとは認められないから、刑訴施行法三条の二、刑訴四〇八条に従い、裁判官全員一致の意見により主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 霜山精一 裁判官 栗山茂 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 谷村唯一郎)